一条工務店の打ち合わせ2回目は、初回の打ち合わせで、いろんな希望を出した間取りが出来上がり、その図面を見ながら修正などを行って完成に近づけていく作業になります。
私達にとって、最も衝撃的で具体的に話の進んだ回が、2回目の打ち合わせだったかもしれません。
まず衝撃的だったのは、私達が建設しようとしていた、「耐水害住宅の浮上タイプ」は、普通の住宅よりも、間取りにいろいろなルールがあって、最初の段階から厳しいルールがあった事。
また、2回目の打ち合わせから、具体的な間取りの配置が分かってきて、設計士さんと一緒に話が進んだ事。
2回目の打ち合わせも、時間的には2~3時間の間でしたが、初回打合せで出来上がった図面を大きく変更することになりました。
耐水害住宅の一条ルール
一条ルールとは
一条工務店では、その性能を確保するために色々な制限やルールがあります。
このルールを施主さんの間では「一条ルール」と呼んでいるそうです。
私達が建設したのは、耐水害住宅の浮上タイプで、普通の住宅とは異なり、もしも洪水などの水害被害があった時に、家ごと浮き上がり浸水の被害を免れる住宅になります。
よって、その浮上する機能を確保するために、一層厳しい建築の為のルールがあり、間取りにも制限が増える事になります。
耐水害住宅浮上タイプの一条ルール
初回打合せ時点で告げられた浮上タイプでの一条ルールがいっぱいありました。
浮上タイプの家の形
最初に味わうことになるルールは、家の形からでした。
浮上タイプで採用できる家の形は、正方形・長方形・L字型のみ。
ただでさえ、一条工務店の外観は個性が出しにくく似たようなものばっかりと言われているのに、浮上タイプだと、家の形にも違いを出せないようになってしまいます。
浮上タイプの玄関
耐水害住宅ならだはの、一条ルールは他にもあります。
たとえば玄関土間の幅、これは最大4マスだったり、
玄関ドアは開きドアのみ、また親子ドアの採用も出来ません。
耐水害住宅の玄関ドアで入り口の幅が一番広いワイドタイプでも944mmなので、冷蔵庫やタンスなど大きなものの搬入にてこずる事もあるかもしれません。
我が家では、日立の幅880mmの冷蔵庫を購入しましたが、搬入の時にかなり大変でした。
浮上タイプの窓
窓も1階は、高い場所以外は、開き窓かFIX窓となってしまいます。
引違い窓や12尺パノラマの大きな窓も設置できませんでした。
浮上タイプ、その他
浮上タイプには、家が浮いたときに流れていくのを防ぐ為、係留する柱ポールが家の隅に立ちます。
また、エアコンの室外機も浸水しないように架台に乗っています。
ポール、架台ともにかなり目立ちます。
ポールは地味に邪魔な所に立ってますし、係留するワイヤーは足を引っかけて転びそうです。
まだ、初回打合せ時点で色々なルールがある事がわかり、少々不安になってきましたが、
私達の要望を取り込んでいただいた間取りの図面がいよいよ出来上がり、2回目の打ち合わせに向かうことになります。
2回目打合せまで
初回打合せの後、2回目の打ち合わせまで、私達は約4週間も開いてしまいました。
その間に、初回打合せで出した要望をもとにした間取りの図面が出来上がりました。
新しい間取りは、打合せ前の10日ほど前に一条工務店のアプリなどで図面が送られてきました。
最初の間取り
記念すべき最初の間取りです。
初回打合せで要望した部屋数、主寝室に子供部屋2、母の部屋、LDKに和室も付いてます。
玄関にシューズクローク、トイレと手洗いも希望通り。
LDKの配置は要望通りにはいかなかったようですが、回遊導線になっていたり、ファミリークローゼットも付いてます。
おおよその要望は組み込んでいただけたようです。
間取りの不満
私達の希望を十分に組み込んでいただいた間取りでしたが、図面を見ながら暮らしをイメージしてみると、やっぱり不満な箇所がたくさん出てきました。
不満と言うか、初回打合せで伝えてなかっただけなのかもしれません。
初回打合せでは、暮らしのイメージが全然思い浮かんでいなかったんです。
間取りが出来て、やっとイメージ出来てきたような感じでした。
主に生活の中心となるのはキッチンになりそうだろうから、真ん中に持ってきたい。
北に配置されていると、外からの光が差し込まず暗くなりそうな感じがしました。
そして、家のリビングから庭に行き来できるようにしたかった。
この間取りでも、リビングから行き来できるが、庭に出る理由がハッキリしていなかったと思う。
庭でBBQをするにも、飲み物をもって庭でくつろぐにも、キッチンが遠いなと感じました。
キッチンから、庭に出るまで障害物が多すぎる。
他には、洗濯機から洗濯物干までの距離が遠い。
室内干しの場所も物干竿1本程度じゃ足りなそうですし、外に干す場合はどこから出るんでしょう。
子供部屋の気配がLDKから感じられなくなるのも寂しいようなですし、駐車場は南になるのにパントリーが北側では大変そう。
などなど…
間取りが出来上がれば不満も思いつきますが、初回打合せでは全く要望していなかった事に後悔しました。
そこで、次の打合せまでに、修正した間取りを考えていくことにしました。
間取りの改造
自分で間取りを修正したいと考えて、どう修正したらいいのかがなかなか難しくて、
最初にやったことは、間取りの分解です。
間取りの図面を紙に印刷してハサミでチョキチョキ分解してみました。
初回打合せで要望していた、部屋数やトイレの数ファミリークローゼットなど、おおむね必要な物は間取りに組み込んでもらっていたので、分解した間取りをパズルのように組み合わせてみました。
そんなことで組み合わせた間取りがこちらです
横長の間取りになりました。
自分的には、こっちの方が感じ的に良かったので、次の2回目の打ち合わせで提案してみる事にしました。
実際に提案する時は、素人考えで意見することに少なからずためらいがありましたが、思い切って自分なりの間取りを提案しました。
自分流の間取りポイント
チョキチョキして組み合わせた間取りですが、組み合わせにもいくつかのポイントがあります。
風水を調べてみた
風水を取り入れて家を建てると、運気が上がったり、悪い事を遠ざけたりできるそうですが、
そこは、柔軟に取り入れて行ければと考えてみました。
早速、風水を調べてみました。
本場中国の風水の思想が、日本流にアレンジされたものが「家相」と言い、家相には方角によって不吉とされる方角があります。
北東と南西は「鬼門」「裏鬼門」と呼ばれていて、鬼の通る不吉な道とされています。
それと、家の中心「宅心」を合わせて三所と呼ばれています。
家相では「三所には三備を設けず」と言う言葉があるそうで、三備とは「玄関・キッチン・トイレ」の事を言います。
つまり、鬼門・裏鬼門・宅心に玄関・キッチン・トイレを配置してはいけないらしいのです。
その他にも、正中線、四隅線や、張り・欠けなど家相を気にするといろいろ出てきます。
何となく風水を意識したのは、鬼門に玄関はNGぐらいのポイントでした。
家族とのふれあい
ひとまず玄関の位置は決定したので、そこから考えたのは、皆が集まれるLDKでした。
なので、単純にど真ん中にズドンとLDKを配置しています。
部屋に入るにも、出るにも、LDKを通る事になります。
その他のポイント
日当たりの良いLDKになった事。
LDKを横長にして全体的に日当たりが良くなった感じがします。
後は、取付る窓の工夫などで、外にも簡単に出入りできそうになりました。
キッチン裏に集約された、水回り収納スペースに期待!
キッチン裏はこの時はごちゃごちゃしてますが、収納スペースも広くなりそうな感じがして、後は設計士さんに上手に作ってもらえたら良くなりそう。
いよいよ打合せ2回目の日
初回打合せから4週間後に、やっと2回目の打ち合わせです。
1回目の打ち合わせは、打合せと言うよりは、こちらの希望を出して、設計士さんに聞いてもらう作業がメインでした。
いろいろ家の希望を話していたら終わった感じの1回目の打ち合わせだったので、まだまだ分からない事ばかりで、緊張と心配でいっぱいの4週間でした。
その4週間の間に、最初の間取り図面が送られてきて、私達なりにいろいろ考えて、間取りを変更したい事の提案をしてみようと、組み合わせた図面も準備してみました。
簡単に言うと、最初の間取りはそれほど納得いく物ではありませんでした。
そこで、図面を部屋ごとに切り抜いて組み合わせる荒業で、新たな間取りを作成してみて、打合せで提案しようと準備したのです。
2回目打合せ開始
今回も、展示場の一室での打ち合わせです。
挨拶を交わして、ソフトドリンクもいただき、さっそく打ち合わせに入ります。
まだ2回目の打ち合わせ、初回は結構お話もして最後の方は和やかに終わりましたが、
前回から日数も開いているので、また緊張感のあるスタートになります。
さっそく設計士さんから、前回の打ち合わせで作成した間取りの話が出たので、
すかさず、自分なりにその図面を並び替えて間取りを作ってきましたと提案してみたのです。
もちろん嫌な顔もせず、その場でパソコンの図面を修正してくれました。
修正しながら、耐水害住宅の浮上タイプでは出来ない事がいくつかあると教えてもらいました。
耐水害住宅の浮上タイプでは出来ない間取り
間取りの修正をするにあたり、耐水害住宅の浮上タイプでは出来ない事がいくつかあります。
- 間取り図の家の形
- 玄関土間の大きさ
- 玄関ドアの種類
- 1階の低い位置の窓の種類
間取り図の家の形
浮上タイプなので、もし災害が起きて浸水の被害があった時には、家が浮き上がり、かつ浸水が収まった時に、元の場所に安全に着地するために、家の形に制限があります。
凸凹や複雑な家の形はNGで、また極端にバランスの悪そうな家もダメだとの事です。
バランスに関しては、家の中に置きそうな家具などの重さもある程度予想してバランスを見るようです。
我が家はそれほど思い家具などありませんでしたが、ピアノやトレーニングマシンなどが一ヶ所に集まったりすると、バランスを考えたりするようです。
耐水害住宅の浮上タイプでは、四角かL字型しか選べません。
玄関土間の大きさ
玄関土間の大きさには制限があり、横に4マスまでです。
浮上タイプは重さのバランスなど考慮しなければならないので、重量のありそうな土間の大きさに制限があります。
玄関ドアの種類
玄関ドアは、耐水害住宅専用の玄関ドアになるので、選べる種類も限られます。
三協アルミのプロノーバで耐水害住宅専用ドアからの選択になります。
7種類ぐらいの9色展開ほどです。
さらに、外側への開き戸のみ。親子ドアの設置も出来ません。
幅は881mmか944mmのワイドのみ。
玄関ドアの性能などは、外部仕上げ編で詳しく解説しています。
玄関ドアの種類が少ない事で色々な不便が起こる事があります。
家具や家電の搬入が大変でした。
玄関ドア搬入問題
耐水害住宅で、大きな家具や家電などを搬入する場合に考えなければならないのが、1階の窓、及びドアでこの944mmが最も広いドアだと言う事です。
我が家の冷蔵庫、幅880mmの日立の冷蔵庫を搬入しましたが、玄関ドアの隙間がわずか6センチ。
それでも何とか入る大きさだと思い購入しました。
ただ、電気屋さんは玄関でかなり苦労していました。
安全に持てる持ち手みたいな所が冷蔵庫には付いているのですが、玄関との隙間が無い為、その持ち手を使えないので、最悪落としてしまう可能性もありますと言われドキドキでしたが、何とか無事搬入出来ました。
大きな家具や家電を購入する時は気を付けましょう。
1階の窓の種類
耐水害住宅の1階に付けられる窓は、開かないFIX窓もしくは、外側への開き窓になります。
胸の高さ以上にある、高い位置の窓はそれ以外の引違い窓も選べます。
水害時に水の侵入を防ぐことができる様にトリプルガラスの強固な窓になっています。
そのため、重量もかなりあって、窓の開け閉めの重みに最初は驚くことでしょう。
図面の修正
間取りを修正する時に、壁や柱をどのように配置するのかと言うと、まるで積み木やパズルゲームのような感じですと設計士さんが言っていました。
まず、一番外側の壁、外壁は決まっています。
私達の家は、耐水害住宅の浮上タイプなので、正方形か長方形かL字型しかできないので、L字型の外周の外壁になります。
その決まった枠の中に、正方形や長方形のブロックを詰め込んでいきます。
トイレは2マスの長方形、お風呂は4マスの正方形、廊下はL字型などの形のブロックがあります。
ここで重要なのは、正方形・長方形・L字型以外の形を組み込むと、そこにSタレ壁が必要になる事。
最初の図面では、廊下の真ん中にSタレ壁があります。
Sタレ壁
タレ壁とは、天井から下に40~50cm程下がっている壁の事で、
Sタレ壁は、構造上どうしてもひつようで外せない壁です。
Sタレ壁…構造上必要なタレ壁、structure(構造)のSを取ってSタレ壁。
タレ壁 …デザイン上のタレ壁、部屋を区切りる目的などで設置する。
修正した間取りのポイント
私達が組み合わせた図面は、玄関やLDK、各部屋の配置は、まあまあいい感じになりましたが、
左側の残りのスペースは、まだまだ未完成な部分が多いので、
回遊導線にもしたいし、洗濯物干スペースも欲しいし、使いやすいウォーインクローゼットも設置したいですと、残りのスペースを設計士さんと一緒に考えることにしました。
私達が出す希望を、うまい具合に間取りに組み込んで出来た図面がこうなります。
玄関は、来客用と家族用に分かれていて、トイレと手洗いが入ってすぐの場所にある。
キッチンが中心になるようなLDK、家族が顔を会わせるように各部屋を設置。
和室には縁側があって、キッチンの裏側は回遊導線でお風呂・洗面所・洗濯物干スペース・ウォークインクローゼット・パントリーなどがあります。
完成図面の問題点
ほぼほぼ出来上がってきた間取りですが、まだ修正しなくてはならない問題が出てきます。
既存のタンスの場所問題と収納問題です。
タンスの場所問題
前の家で使っていたタンスをどうしても新居でも使いたくて、その場所を確保しなければなりませんでした。横幅1.5マスほどのタンスが2つ収まる場所の確保が必要になります。
各部屋の収納も減らしたくないので、新たに設置場所を作らなくてはならなくなります。
収納問題
前の家の物をそのまま新居に持ち込むとなると、全然収納能力が足りない事に気が付きました。
もちろん断捨離をして物を減らすことになりますが、家族そろって整理整頓が得意ではなく、いつも収納はあふれてしまうので、もっともっと収納スペースを確保しなければなりませんでした。
主に、パントリーとウォークインクローゼットを増やすことになります。
次回打合せの修正点
タンスの場所の確保と、収納スペースを増やす。
これを次回打合せで修正して行きます。
コメント