高気密・高断熱の家を建てれば、それだけで快適な家になると考えていました。
そして間取や設備など、いろいろ試行錯誤して住みやすい家を建てる事が出来ました。
そう思っていましたが、本当に一番大切で、理解しておくべきは、室内のきれいな空気環境だったかもしれません。
きれいな空気環境とは、家の中の汚れた空気と、屋外の新鮮な空気を入れ替える換気の事です。
換気は思っているより重要で、換気の方法や仕組みを間違うと、花粉・PM2.5・黄砂・埃やカビなどが家の中に入ってくると思うと嫌ですよね。
その他にも、換気の種類によって、クーラーやエアコンの省エネにも役立ったり、夏の湿気や冬の乾燥、朝晩の温度差なども改善できます。
また、換気システムや、導入する機械の性能によって、さらに快適になるか決定されるわけです。
ここでは、一条工務店の、全館加湿&換気システムの「ロスガード90 うるケア」を徹底解説します。
さらに、同じく一条工務店の、快適除湿機能付き「全館さらぽか空調」との比較もしていきます。
「うるケア」か「さらぽか」のどちらにしようか迷っている方の参考にもなれば幸です。
ちなみに、我が家は「うるケア」を採用しました。その理由も加えて解説します。
まずは、換気について簡単に理解しておきましょう
換気の種類
空気を入れ替えるだけの換気と言っても、いくつかの種類で分けられています。
現在は全ての新築住宅で24時間換気システムの設置が義務付けられていて、2時間に1回家全体の空気が入れ替わるように計画されています。
換気の種類で、その効果も大きく異なります。
さらに詳しい事は換気の種類で解説しています。
自然換気と機械換気
まず換気には、自然換気と機械換気に分けられます。
窓やドアなどの開放で、風の力や室内と外の温度差で空気の入れ替えを行う自然換気と、
換気扇など機械による強制的に換気する機械換気があります。
もちろん、機械換気の方が安定的に大量の効率的な換気が出来ます。
機械換気はさらに、第一種換気、第二種換気、第三種換気に使い分けられています。
第一種換気
給気と排気共に機械による安定した換気が出来ます。
熱交換器を利用した換気システムは第1種換気になります。
ロスガード90は第1種換気になっています。
第2種換気、第3種換気、第4種換気
給気は機械換気、排気は自然換気で行うのが第2種換気。
クリーンルームや手術室などで使われています。
給気は自然換気、排気は機械換気で行うのが第3種換気。
お風呂やトイレなどの換気扇などで使用されています。
給気と排気共に自然換気なのが第4種換気です。
ロスガード90は第1種換気
高気密・高断熱の住宅に最適なのが第1種換気です。
一条工務店のロスガード90は第1種換気になります。
給気も排気も機械換気で、自動的で確実な換気が出来ます。
また、その仕組で、シックハウス症候群の対策や、二酸化炭素濃度の上昇を抑えたり、花粉、PM2.5、黄砂、埃、カビなどの侵入も防げます。
また、熱交換器が付けられるのも第1種換気です。
熱交換器が付くことで、給気と排気で温度や湿度を移し替えます。
詳しくは熱交換器で解説しています。
ちなみに、一条工務店では、お風呂やトイレ、キッチンでは換気扇が使われていて、局所は第3種換気を使用していますが、その際は非熱交換給気口が開くようになっています。
ロスガード90は熱交換型
ロスガード90は、温度と湿度を移し替える熱交換器が付いた熱交換型になっています。
温度交換率は最大90%で、省エネにもなります。
夏は、新鮮で暑い外気を室内から排出する汚れた空気で冷やして熱を移し替えて給気出来ます。
湿度も移し替える事が出来るので、ジメジメした外気を室内の湿度に近づけて取り込みます。
冬は、冷たくて乾いた新鮮な空気を、室内からの排気で温め、湿度を移して取り込めます。
夏場は、32℃の外気と27℃の室内で熱交換して、27.8℃で給気します。
同じく、屋外湿度69%と室内湿度52%で交換して湿度58%で室内へ、
熱交換率は85%・湿度交換率は80%
冬場は、7℃の外気と20℃の室内で熱交換して、18.7℃で給気します。
同じく、屋外湿度65%と室内湿度35%で交換して湿度37%で室内へ、
熱交換率は90%・湿度交換率は82%
熱交換器には、熱交換素子が使われていて、給気や排気の空気が交互に通る事で、温度と湿度を移し替える仕組みになっていて、熱交換率は最大90%にもなり優れた省エレルギー性を実現しています。
熱交換素子の仕組み
熱交換素子と呼ばれる、紙などで出来たエレメントを通り温度や湿度を移し替えます。
熱交換素子は、断面が三角形のトンネルが、給気と排気で交互に何層にも重なっています。
排気と給気の通り道が、交互にあって、熱や湿度が通りやすい素材で出来ているので、移し替えることが出来ます。
ロスガード90 「うるケア」の解説
一条工務店とパナソニックで共同開発した、全館換気に全館加湿が出来るシステムが「ロスガード90うるケア」です。ロスガード90に加湿ユニットがプラスされた物になります。
自動換気される空気の流れに、ナノサイズで作られたミストで加湿して、家中に行きわたらせます。
加湿も換気も一台で行えます。冬場でも加湿器を部屋ごとに設置する必要が無いので、費用や設置・収納場所、メンテナンスの必要がなくなります。
簡単に言うと、換気しながら加湿できるのが「うるケア」です。
梅雨時期や夏場は、ロスガード90の熱交換器で温度交換同様に湿度も交換でき、冬場などの乾燥した季節には、「うるけあ」で快適な湿度を維持してくれます。
快適に過ごせる室内の湿度は40~60%だそうです。
湿度が低いと、風邪やインフルエンザウイルスなどが活性化したり、お肌や鼻、のどの乾燥なども起こります。
逆に湿度が高いと、カビやダニが発生しやすくなったり、アレルギーを発症したりします。
個人差や間取りにもよりますが、うるケアでも加湿器が必要なお宅はたくさんあります。
我が家は、うるケアだけの加湿で特に問題なく冬場も過ごせています。
「うるケア」の加湿の仕組み
うるケアには、加湿ユニットが付いていて、遠心破砕技術を使って、水をナノサイズにして空気を加湿して家中に運びます。
加湿は3段階で、標準・多め・少なめ で設定できます。
遠心破砕技術
加湿ユニットの中央にあるディスクが回転する事で、自動で給水された水を吸い上げ、回転の遠心力を使って、水滴を周りの壁にぶつけて破砕させます。破砕された水滴はナノサイズのミストになり空気の流れと共に運ばれていきます。
ナノサイズのミスト
水を分子のレベルまで細かくした物です。
普通のミストの様に目に見えず、濡れるという感覚もない細かい水の粒です。
雨粒の大きさを1mmとすると、霧は1/1000mm=1㎛(マイクロメートル)となり、
ナノサイズのミストは1/1000㎛=1㎚(ナノメートル)となります。
ちなみに、髪の毛の断面は70㎛、スギ花粉は30㎛、カビ菌は5㎛、黄砂は約4㎛、PM2.5は2.5㎛以下の物となっています。
「うるケア」のメンテナンス
「うるけあ」はメンテナンスの必要はありません。
機械のお掃除やフィルターの掃除、給水や排水などの水の取り換えも必要なしの、自動洗浄メンテナンスフリーです。
自動洗浄の仕組み
加湿器において、機械の中に残る水などで雑菌の繁殖が起きやすいと考えていて、「うるケア」では、1日1回、自動的に加湿器ユニットの水を全て排出します。
その上、ロスガード90からのクリーンな空気で内部を乾燥させ、雑菌の繁殖を抑制します。
乾燥が終了したら、再び自動で給水される仕組みです。
うるケアを使用しない夏場なども定期的に作動して、内部の洗浄を自動で行います。
フィルターが無い
ディスクで水を吸い上げ、遠心破砕でミストを作り出し、加湿されたクリーンな空気が運ばれていくため、加湿器のフィルターがありません。
フィルターが無いので、水道水のカルシウムの付着(スケール)も無くなります。
「うるケア」とカビの問題について
加湿器において、カビの発生は大問題です。
「うるケア」はメンテナンスフリー、しかも全館加湿なので、本当に大丈夫なのか調べて考察してみました。
加湿ユニット内部のカビ防止
うるケアの加湿ユニットは、水道に直結しています。水道水に含まれる塩素でカビの繁殖を抑えられます。
塩素の効果は、空気に触れると無くなってくるので、毎日水を自動で水の交換ができる事で、効果を持続できています。
さらに、毎日乾燥することでも、菌の繁殖を抑制しています。
塩素の効果と、水の入れ替え、そして乾燥、これらの効果で抑制できそうだと考えています。
ダクトのカビについて
ダクトの内部に加湿された空気が通るので、カビの発生がしやすいのか調べてみました。
ダクト内の結露
カビの原因で考えられるのがダクト内の結露です。
「うるケア」は、遠心破砕技術で加湿しているのでダクト内の結露が無いとされています。
それは、一般の加湿器と加湿の種類が違うからです。
一般の加湿器の種類は、超音波式・スチーム式・気化式などに分けられています。
超音波式は、水の粒子が大きいため濡れやすい
スチーム式は、高温の蒸気が冷めると結露になりやすい
気化式は、加湿量が少ない
など、それぞれデメリットがあります。
遠心破砕技術の加湿は、ナノサイズのミストを作るので、濡れずに冷めて結露になる事もなく運ばれていきます。
逆に、部屋で暖められた空気が窓などで冷えると結露になりやすいです。
マイナスイオンの効果
「うるケア」の加湿の仕組みが、遠心破砕技術でナノサイズのミストを作っています。
これは、滝の水が岩にあたる事と同じで、マイナスイオンを帯びたミストだと考えられます。
マイナスイオンは空気中のカビを抑制できるそうで、ある程度の効果はありそう。
ですが、マイナスイオンである寿命はほんのわずかしかありません。
ナノサイズのミストで加湿
ナノサイズのミストは、分子レベルの細かい水で、空気に溶け込んでいて、物が濡れたり水滴が溜まったりすることはありません。
さらには、空気中の微粒子もナノサイズのミストで吸着できるそうです。
遠心破砕でナノサイズのミストにして、空気中に溶け込んでいると言う事は、湯気や水蒸気の様に冷める事が無いので、ダクトの中で結露にならずに運ばれていきます。
過加湿の問題
自動で加湿しすぎかどうか判断して加湿を抑えてくれています。
全館加湿なので、加湿のムラが無く、局所で加湿しすぎる心配も少ない。
カビそうな場所
お風呂やなどの水回りはカビの発生しやすい所です。これは「うるケア」を使用しなくてもカビが発生します。
他には、結露が起きる場所。
これも普通に起きますが、「うるケア」で室内が加湿されていれば、結露も起こりやすいと考えます。
例えば、窓枠や、換気扇など。
一般に、カビの発生する原因として、栄養・水分・温度が考えられます。
カビの栄養となるホコリがありそうで、結露などで水分があり、人が生活できる温度があるなら、カビは発生してきます。
「うるケア」の電気代と音
家中を24時間加湿する「うるケア」。
電気代と、音について調べてみました。
「うるケア」の電気代
「うるケア」の加湿に掛かる電気代は、月300円程と言われてます。
実際は1000円程らしい。
つけっぱなしでも、加湿を自動でコントロールして、加湿しすぎる事はありません。
こまめに消した方が電気代はお得でしょうが、つけっぱなしでも気になるほどではないかもしれません。
「うるケア」の音
運転音は約36db(デシベル)とされています。
掃除機や洗濯機の音は60db、カエルの鳴き声は50db、コオロギの声は40dbとなっています。
40dbは図書館ぐらいの静けさぐらいです。
30dbだと、鉛筆の執筆する音ぐらいです。
睡眠を妨害されない音の基準が40db以下とされています。
寝室以外に ロスガード90 を設置すれば睡眠には支障はないかもしれません。
ですが、ロスガード本体の場所は、寝室から離して設置する事をお勧めします。
寝付けない時にかすかな音でも気になる事があったりします。
音は、2m離れると6db下がる様ですので、なるべく遠くへ。
また、扉など建具を遮音目的で設置する場合は、引き戸より開き戸にしましょう。
一条工務店の吊下げ型の引き戸の遮音性はほとんどありません。
開き戸も、少しは遮音できる程度です。
家によって「うるケア」の加湿効果に差が出る。
「うるケア」を設置している家でも、乾燥が気になる方はいるようです。
「うるケア」で加湿しても、あまり加湿されない家にはどんな原因があるのでしょうか?
間取りによっては、乾燥する
「うるケア」の加湿は、ナノサイズのミストが空気の流れに乗って家中に運ばれます。
例えば、吹き抜けや勾配天井などは、暖かい空気が上に向かう上昇気流になるので、加湿された空気も一緒に上へ運ばれてしまい、一階部分や下の方は乾燥しやすくなると考えられます。
また、空気は寒い方から暖かい方へ移動したり、人の移動によって流れていきます。
玄関や廊下に洗面台などがあると、空気の流れで加湿しやすい間取りなると思います。
キッチンやお風呂、洗濯物干しなど湿気のある場所の配置で乾燥しにくい間取りが出来そうです。
床材によって湿度は変わる
床材は、無垢床は調湿機能があり、乾燥しにくいといわれています。
しかし、床暖房には使用できないので、一条工務店では無垢床はありません。
合板の上にシートを張った物か、合板に薄い無垢材を張り合わせた突き板、突き板より厚めの無垢材を張り合わせた挽き板があります。
調湿機能は、シートではありませんが、突き板・挽き板は少なからずあるみたいです。
また、畳も調湿機能に優れています。
室温で乾燥する
空気に含まれる水分の量には限界があります。
その水分量の限界は気温と関係していて、温度が高ければ空気中に多くの水分を含むことが出来ます。
温度が低いと少ししか水分を含むことが出来ません。
水分を含む限界を超えると、水滴や結露となって水分が液体になって発生します。
湿度50%の空気でも、温度が違うと含まれている水分量は異なります。
10℃で100%の湿度があっても、30℃になると湿度50%にも届きません。
冬の冷たい空気を暖かい室内に取り入れると、水分量はそのままで温度が上がるので湿度は下がります。室内が乾燥するのはそのためです。
室内の温度が高いとより乾燥します。
ロスガード90 うるケアのメリット、デメリット
ロスガード90 うるけあ のメリットとデメリットをまとめてみました。
ロスガード90 うるケアのメリット
メリットとして挙げられるのは
- 設置は無料
- 加湿器の設置場所や収納場所で困らない
- 全館加湿
- メンテナンスフリー
- 高性能フィルターの換気
- 熱交換と湿度交換の換気システム
設置は基本無料で付けられる
後に解説する「さらぽか」との比較で「うるケア」を選ぶポイントとして費用が掛からない点があげられます。
「うるケア」は、キャンペーンで無料になる事が多く、基本的には標準装備と言えます。
もしオプションになる場合は10万円程かかります。
ロスガード90に、「うるケア」の加湿ユニットが基本無料で付いてきます。
全館加湿ユニットはPanasonicとの共同開発の商品で、Panasonicの加湿ユニット「アクアシッター」と思われます。この商品だけでも258,000円の物となります。
一条工務店の家では、冬場は加湿器が必須アイテムなので、加湿器がいらない「うるケア」が標準で付いてくるのは嬉しいです。
加湿器の設置場所や収納場所で困らない
「うるケア」は、ロスガード90と言う換気システムの組み込まれた加湿ユニットなので、加湿ユニット自体の設置場所はいりません。
24時間換気システムは新築の住宅なら必ず必要な設備なので、ロスガード90を設置するスペース(外壁に面した室内の0.5帖分)は、「うるケア」が付いてなくても必要です。
加湿器を設置する必要が無い為、設置場所や収納場所の必要がありません。
「うるケア」一台で全館加湿できます。
全館加湿できる
体感温度は、湿度が高くなるほど上がり、湿度が低いほど下がる性質があります。
各部屋ごとに加湿器を設置すると、部屋の移動で体感温度に差が出る事になります。
メンテナンスフリー
個人的には一番うれしいのが、メンテナンスがいらない事!
機械のお掃除もいらない、フィルターの掃除もいらない、給水も排水もいりません。
スイッチ1個で、多め・標準・少なめ・OFF、を選ぶだけです。
高性能フィルターと、熱交換・湿度交換の換気システム
高性能フィルターと熱交換・湿度交換の換気システムは、ロスガード90の装備です。
ロスガード90は、一条工務店のすべての商品で標準装備になっています。
オプションで「さらぽか」を選ぶと違う換気システムになります。高性能フィルターの性能は同じですが、熱交換・湿度交換のシステムが異なります。
ロスガード90の高性能フィルターは、花粉は99%・カビの胞子は99%・黄砂は99%・PM2.5は95%捕獲できます。
ロスガード90の温度交換率は、最大90%になり、それだけ省エネにもなります。
さらぽか空調は最大70%ぐらい。
ロスガード90 うるケアのデメリット
デメリットは
- 井戸水では使えない
- 全館加湿なので部屋ごとに加湿調節できない
- フィルター交換の手間
- ロスガード90の寿命とメンテナンス費用
- 「さらぽか」が設置できなくなる
井戸水は使えない
井戸水には水道水には含まれていないカルシウムや鉄分、マグネシウムといったミネラル成分が豊富に含まれています。これらのミネラル成分は配管内などで固形として詰まる可能性があり、故障や不具合の原因となる為、井戸水では「うるケア」が設置できないと思われます。
部屋ごとの加湿調節が出来ない
「うるケア」は加湿ユニットが1台で、換気の空気と共に全館加湿する仕組みなので、各部屋ごとに加湿の調節は出来ません。
したがって、洗濯物の部屋干しなどしている部屋にも加湿されます。
居室でなければ、給気口は必ずつける必要は無いので、部屋以外の洗濯スペースを作ると良いかもしれません。
フィルター交換の手間と費用
「うるケア」部分の加湿ユニットは、メンテナンスフリーですが、ロスガード90の換気システムの方は、本体や排気口などのフィルター交換が必要です。
フィルター交換は、ロスガード90うるケアだけではなく、さらぽか空調も必要な事なので、換気システムを設置したなら同様の手間がかかります。
ロスガード90の寿命とメンテナンスなどの費用
ロスガード90自体の補償期間は10年で、機械の寿命は15年と言われています。
補償期間外の故障で交換すると、本体25万円・熱交換器8万円ほどかかる見込みです。
フィルターは、一条工務店のアプリのオンラインストアから購入できます。
最近は、引き渡し時に10年分のフィルターがプレゼントされています。
たくさん頂けてありがたいのですが、結構な量なので置き場所に困ります。
数 | 値段 | 1枚の単価 | 交換時期 | 説明 | |
給気用フィルター | 4枚 | 4,730円 | 1,183円 | 1年 | 24時間換気システム 本体のフィルター |
給気用高性能フィルター | 4枚 | 5,225円 | 1,306円 | 1年 | PM2.5対応のより高性能な 本体のフィルター |
防虫袋 | 12枚 | 1,650円 | 138円 | 6ヶ月 | 本体の防虫袋 虫やゴミの侵入を防ぐ袋 |
排気口用フィルター 天井付タイプ | 8枚 | 1,485円 | 186円 | 1年 | 室内排気口が天井設置型の 排気口用フィルター |
キッチン用ワンタッチ型 給気口フィルター高性能タイプ | 4枚 | 3,080円 | 770円 | 1年 | ワンタッチ差圧感応式給気口用の 高性能フィルター(花粉除去率98%) |
キッチン用ワンタッチ型 給気口フィルタースタンダード | 5枚 | 2,255円 | 451円 | 1年 | ワンタッチ差圧感応式給気口用の スタンダードフィルター(花粉除去63%) |
エアイーフィルター | 3枚 | 1,210円 | 403円 | 天井付ナノイー発生器のフィルター 2週間~3ヶ月に1度掃除すれば 交換の必要は無し |
「さらぽか」が設置できなくなる
「うるケア」と「さらぽか」は、換気システムが異なるために両方とも設置は出来ないとなっています。
メリットとデメリットについてまとめると
冬の乾燥対策として「うるケア」を設置することはお勧めできます。
「うるケア」の設置が有料オプションでなければ迷わず設置で間違いないでしょう。
給気口の位置を考えたり、後付けでサーキュレーターを付けて洗濯スペースやお風呂などから空気の流れを作ったり、必要なら補助的に加湿器も購入することがあるかもしれません。
全館「さらぽか」空調の解説
一条工務店オリジナルの、全館床冷暖房と、デシカント除湿を組み合わせた換気システムが、全館さらぽか空調 です。
全館の床に張り巡らされたパイプで、冬は床暖房になり、夏はパイプに水を流して熱を吸収する床冷房になります。
またデシカント除湿で、外気を除湿しながら、2つのローターで湿度と温度をコントロールして、快適な室内環境を作ります。
簡単に言うと、除湿しながら換気できて、床暖房に加えて床冷房の使えるのが「さらぽか」です。
冬には、保湿機能と床暖房で暖かく、夏場などのジメジメして暑い季節にはパワフル除湿と床冷房で、さらっと涼しく過ごせます。
個人差はありますが、「さらぽか」の床冷房だけで、ひと夏を乗り切るのは難しく、暑い日はエアコンを使用します。
「さらぽか」の除湿の仕組み
「さらぽか」の除湿には、一条工務店オリジナルの小型デシカント技術を使っていて、乾燥材に水分を吸着させ除湿をしています。
空調システムの中にあるデシカントローターを回転させることで、外気を取り入れる時に吸着させた水分を、室内の排気と共に屋外に放出させる仕組みになっています。
デシカント除湿
デシカントとは乾燥剤などの意味で、空気中の水分を吸着させて除湿する仕組みです。
一般的な家電の除湿機で使われているデシカント除湿は、ゼオライトなどの水分を吸着しやすい乾燥材などで、空気中の水分を吸収して除湿します。
しかし、一定の水分を吸収すると、それ以上は吸収できないので、乾燥材を再生させるためにヒーターで加熱し水分を蒸発させ水滴になってタンクに溜まります。
ヒーターで再生させることから、電気代も高くなりがちで、夏場はコンプレッサー式の除湿機の方が効果が出やすくなっています。
詳しくは、衣類乾燥に除湿機の方で解説しています。
一条工務店のデシカント除湿は、ヒーターで再生しないので電気代も抑えられます。
一条工務店のデシカント除湿
一条工務店のデシカント除湿は、空調システムの中にデシカントローターと顕熱ローターが入っていて、ローターが回転することで、それぞれ湿度交換と温度交換をしています。
夏場は、暑く湿ったきれいな空気を取り込む際に、まずデシカントローターで水分を吸収します。
その後、暑く水分が無くなって乾いた空気を顕熱ローターで、室内から排出する、涼しく乾いた空気と温度を入れ替えて取り込みます。
2つのローターを通った空気は、快適な湿度・温度となって取り込まれるます。
また、室内の冷やされ乾いた汚れた空気を排出する際も、顕熱ローターで温度を入れ替えて、暑く乾いた空気で、デシカントローターの水分を乾燥させ乾燥剤を再生させ、そのまま水分を含んだ空気を外へ排出します。
このような仕組みで、快適な空気環境を、電気代を抑えて実現しています。
「さらぽか」の床冷房とは
「さらぽか」は、空調システムのパワフル除湿と、各部屋のサーキュレーターを付ける事で、全館床冷房が使えます。
全館床暖房で使うパイプに水を通して室内の熱を吸収させます。
冷水で床を冷やすのではなく、暑い温度を水温に吸収させて熱を下げる仕組みです。
室内の除湿が無いまま、室内の温度が下がると、結露でびちょびちょになってしまうので、サーキュレーターで空気の循環と、パワフル除湿が必要になってます。
「さらぽか」のサーキュレーター
「さらぽか」を導入すると、各部屋に天井埋込式のサーキュレーターが付きます。
強さは3段階に調節できます。各サーキュレーターにリモコンがあり個別にON・OFFします。
サーキュレーターから涼しい風は出てこないので、空気を循環させる目的で使用します。
「さらぽか」の結露問題
さらぽかは床冷房を使用することにより、冷えた床で結露になる事が考えられます。
そのため、サーキュレーターで床付近の空気の流れを作る必要があります。
さらに、結露防止機能があり、床冷房を室温よりいきなり低い温度で設定すると結露防止運転が作動して、床が冷えなくなってしまいます。
徐々に床冷房の設定温度を下げていき、結露が発生しないようにしなければなりません。
結露防止運転が作動すると、自動的に床冷房の温度を上げる仕組みになっています。
「さらぽか」の電気代と音
「さらぽか」は、デシカント除湿と床冷房の仕組みですが、デシカント除湿だけで調べてみました。
家中を24時間除湿する「さらぽか」。
電気代と音について調べてみました。
「さらぽか」の電気代
デシカント除湿だけの電気代は月 3,000円程の様です。
デシカント除湿とサーキュレーターでこれぐらいの様です。
「さらぽか」の音
「さらぽか」の換気システム本体の運転音は40db程の様です。
さらに「さらぽか」には、各部屋にサーキュレーターが設置されており、風の強さにもよりますが、30~40db程の様です。
図書館にいるくらいの静かさです。
「さらぽか」導入コスト
全館 さらぽか 空調は、オプションになるので、設置に費用がかかります。
オプション費用は、「坪数×1.5万円」です。
30坪で45万円、40坪で60万円になります。
「さらぽか」の効果
夏はパワフル除湿と床冷房でさらっと涼しく、冬は床暖房で保湿しポカポカなのが「さらぽか」の魅力です。
除湿の効果
「さらぽか」のパワフル除湿は1番の魅力になります。
湿度が高いとカビやダニが発生しやすくなったり、アレルギーを発症したりします。
「さらぽか」はデシカントのパワフル除湿なので家中快適な湿度をキープできます。
梅雨時期に洗濯物を室内干ししても、生乾きせずに乾きます。
一条工務店などの、高気密・高断熱の家は室内の熱がなかなか下がらないので、晴れの日は春も秋も家の中は暑くなりがちです。そんな時に「さらぽか」は快適になります。
床冷房の効果
床冷房は20℃まで設定温度を下げられるそうです。
いきなり低い温度に設定すると結露防止運転が作動してしまうので、徐々に下げる必要があります。
冷たい水で床を冷やすのではなく、水で暑い熱を吸収する仕組みなので、室温が下がるのにクーラーのような即効性はなく時間が掛かります。
裸足でも床が冷たくない、サーキュレーターが床の空気を流しているので冷えすぎない様です。
ですが、夏場を床冷房だけで過ごす事は難しそうで、クーラーは必要です。
床暖房+保湿の効果
「さらぽか」は、床冷房と、床暖房も使う事が出来ます。
全館床暖房は、家中どこでも暖かく、風呂やトイレでも温度差が無く快適に過ごせます。
他の暖房器具がいらないので、設置場所や収納の場所にも困りません。
さらに「さらぽか」には、保湿の機能があります。
デシカントの湿度コントロールで、空気中の水分を使って保湿する仕組みです。
しかし「うるケア」の様な加湿は出来ないので、室内の乾燥は防げません。
高気密・高断熱の一条工務店において、冬場は加湿器が必ず必要になってきます。
全館 さらぽか 空調のメリット、デメリット
全館 さらぽか 空調のメリットとデメリットをまとめてみました
全館 さらぽか 空調のメリット
メリットとして挙げられるのは
- パワフル除湿で全館除湿
- 床冷房と床暖房が使える
- 排水の必要が無い
- 高性能フィルターと温度交換・湿度交換
パワフル除湿で全館除湿
「さらぽか」は、デシカント方式除湿機の小型化に成功し、パワフルに除湿します。
各部屋に設置されたサーキュレーターで、室内の熱気や湿気を動かし、排気と共に湿気を吸収し除湿します。
間取りや、建具などに関係なく全館除湿できます。
床冷房と床暖房が使える
一条工務店と言えば、全館床暖房。家中に張り巡らせたパイプに暖かい水を流して、トイレや風呂場まで、全館くまなく暖かくなります。
「さらぽか」を設置すると、全館床暖房のパイプに水を流し、家の中の熱を吸収させて涼しくします。
床冷房が使えるのは「さらぽか」だけです。除湿とセットで使用しないと水浸しになってしまうそうで、デシカント除湿で家中の除湿が出来るおかげで、床冷房を使っても結露しない仕組みになっています。
排水の必要が無い
一般の除湿機は、除湿により空気中から取り出した水分がタンクに溜まったり、ホースで排水したりしますが、「さらぽか」の除湿は、デシカントローターが回転することで、給気の時に吸着した水分を、排気の空気に含ませて外に排出するので、排水の必要がありません。
高性能フィルターと温度交換・湿度交換
「さらぽか」の換気システムにも、ロスガード90と同等の高性能フィルターが付きます。
花粉や黄砂、埃やカビ、PM2.5などの侵入を防げます。
さらに、温度交換と湿度交換の2つのローターで、温度交換率は最大70%程と省エネのも役立ちます。
また、湿度交換で、空気中の水分を使った保湿の機能も付いています。
全館 さらぽか 空調のデメリット
デメリットは
- 設置費用がかかる
- 電気代
- フィルター交換の手間
- 換気システムの寿命とメンテナンス費用
- グランセゾンは採用不可、「さらぽか」の採用できる商品が限られる
設置費用がかかる
「さらぽか」設置には、オプション費用が掛かります。
坪数×1.5万円のオプション費用がかかります。
高額なオプションになりますが、一度体感してしまうと、その快適さから設置する人も多いみたいです。梅雨時期や夏場はもちろん、季節を問わず快適に暮らせます。
電気代
「さらぽか」の電気代は、デシカント除湿だけだと月 3,000円程です。
床冷房+除湿の電気代は、家の大きさや外気温などによって異なりますが、一般的な家で月 1.1万円程だそうです。
「さらぽか」を付けていないで、再熱除湿エアコン+ロスガード90の電気代は、月 2.3万円程だそうです。
「さらぽか」だけで夏場を乗り切れれば暖気代はお得になりますが、暑い日にはエアコンは必要になってくるそうで、電気代もその分掛かります。
フィルター交換・掃除の手間
「うるケア」同様に、換気システム本体と、排気口のフィルター交換が必要です。
さらに、「さらぽか」には、各部屋にサーキュレーターがあるので、定期的にフィルターの掃除が必要になります。
換気システムの寿命とメンテナンス費用
「さらぽか」のデシカント換気システムの補償期間は10年で、寿命も約10年と言われています。
サーキュレーターの寿命は8年だそうです。
補償期間外の故障で交換すると、本体30万円・サーキュレータ3万円程かかる見込みです。
フィルターは、一条工務店のアプリのオンラインストアから購入できます。
引き渡し時に10年分のフィルターがプレゼントされます。
フィルターはロスガード90 うるケアと同様の物になります。
数 | 値段 | 1枚の単価 | 交換時期 | 説明 | |
給気用フィルター | 4枚 | 4,730 | 1,183 | 1年 | 24時間換気システム 本体のフィルター |
給気用高性能フィルター | 4枚 | 5,225 | 1,306 | 1年 | PM2.5対応のより高性能な 本体のフィルター |
防虫袋 | 12枚 | 1,650 | 138 | 6ヶ月 | 本体の防虫袋 虫やゴミの侵入を防ぐ袋 |
排気口用フィルター 天井付タイプ | 8枚 | 1,485 | 186 | 1年 | 室内排気口が天井設置型の 排気口用フィルター |
キッチン用ワンタッチ型 給気口フィルター高性能タイプ | 4枚 | 3,080 | 770 | 1年 | ワンタッチ差圧感応式給気口用の 高性能フィルター(花粉除去率98%) |
キッチン用ワンタッチ型 給気口フィルタースタンダード | 5枚 | 2,255 | 451 | 1年 | ワンタッチ差圧感応式給気口用の スタンダードフィルター(花粉除去63%) |
エアイーフィルター | 3枚 | 1,210 | 403 | 天井付ナノイー発生器のフィルター 2週間~3ヶ月に1度掃除すれば 交換の必要は無し |
「さらぽか」の採用できる商品が限られる
現在、一条工務店の商品ラインナップで「さらぽか」が取り付けられるのは、
グラン・スマート、アイ・スマート、アイ・キューブなど一部の商品に限られています。
人気のグラン・セゾンなどの商品でも「さらぽか」は取付できません。
また、北海道など一部地域でも「さらぽか」は採用できません。
メリット、デメリットについてまとめると
梅雨時期や、夏の期間以外でも「さらぽか」を設置すれば大活躍する事間違いなしです。
除湿と床冷房・床暖房と季節を問わずお勧めできます。
しかし、オプション費用が掛ったり、優秀な「うるケア」が付けられない事が残念です。
「うるケア」か「さらぽか」我が家の選んだポイント
私の家も、「うるケア」にするか「さらぽか」にするか考えました。
ただ、両方とも本当に必要な設備なのかは疑問に思っていた部分もありました。
そんな事から、よりお手入れなどが簡単で、お手軽な方を選んだ感じはあります。
結果、我が家は「うるケア」にしました。
「うるケア」を選んだポイントは3つ
- 「さらぽか」だと、冬の加湿器は必ず必要で、各部屋の加湿器のメンテナンスが面倒だから
- 「うるケア」は無料だったから
- 「うるケア」の熱交換率の方が優秀そうだったから
3つのポイントについて、詳しく説明すると
1.「さらぽか」だと加湿器が必要で、そのメンテナンスが面倒だから
一条工務店の家は、高気密高断熱なので、「うるケア」が付いてないと、冬の加湿器は必ず必要と言えます。これは、加湿器がある方が良いと言うレベルではなく、必ず必要と言うレベルだと思っています。
そう考えると、各部屋に加湿器を置いて、全部の水交換やフィルターなどの掃除、設置場所の確保とオフシーズンの収納場所などを考えて、「うるケア」を選ぶポイントになりました。
2.「うるケア」は無料だったから
「さらぽか」は導入コストが掛かります。(詳しくは上記の記事で述べています)
一方で「うるケア」は、当時キャンペーンで無料で設置出来ました。
「さらぽか」も「うるケア」もどちらも魅力的な設備だったので、どちらか一つを選ばなくてはいけないのだったら、無料で付けられる「うるケア」を選ぶポイントとなりました。
3.「うるケア」の熱交換率の方が優秀だから
「うるケア」設置を決めた当初は、それほど深く調べていなかったので、「うるケア」の装置の方が新しい技術だから、きっと性能が良いはずだろうと思っていたぐらいで選ぶポイントにしていましたが、
実際に調べるとやはり、熱交換率など「さらぽか」よりも優秀なようです。
実際に「うるケア」で生活してみて、4つの本音
実際に「うるケア」で生活してみての感想は4つあります。
これは、「うるケア」を使って生活した感想と、「うるケア」を使用しない時期の感想と、一条工務店の高気密・高断熱の家の感想も含んでの生活してみての感想になります。
1.「うるケア」で十分に加湿できる
2.ロスガード90の熱交換・湿度交換では涼しくならない
3.一条工務店の家は夏以外も暑い
4.一条工務店の家は乾燥する
1.「うるケア」で十分に加湿できる
実際に生活してみて、冬の時期でも「うるケア」だけで十分に加湿できています。
我が家が平屋だからかもしれませんが、勾配天井とロフトがあっても、乾燥しすぎていると思った事はありません。
「うるケア」を設置すれば、加湿器は必要ありません。
2.ロスガード90の熱交換・湿度交換では涼しくならない
冬以外の季節で加湿が必要ではない時期は、「うるケア」の加湿ユニットは動かしません。
その時期は、ロスガード90の熱交換素子が温度と湿度を快適に保つ補助的な働きをしますが、涼しくなるわけではないので、クーラーは必ず必要になります。
夏場はクーラーは24時間稼働になると思います。
3.一条工務店の家は夏以外も暑い
一条工務店の家は、夏以外でも、春や秋も家の中は暑いです。
外はちょうど過ごしやすい気温でも、家の中ではクーラーを動かす日はかなりあります。
日中の日差しが差し込む時間は、特に熱くなりやすいと感じています。
「さらぽか」の除湿機能は、そんな春や秋、梅雨時期などに活躍しそうですね。
4.一条工務店の家は乾燥する
一条工務店の家は、かなり乾燥すると感じています。
これは、冬の時期だけではなく、一年中そう感じる事があります。
「さらぽか」の除湿の効果で、梅雨時期の洗濯物でも室内干しで乾くと述べましたが、夏場にクーラーを稼働させた室内ならば、「さらぽか」でなくても生乾きせずに乾きます。
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